循環器とは、血液を全身に循環させるための器官、つまり「心臓」と「血管」を指します。心臓がポンプとして血液を送り出し「心臓 → 動脈 → 全身の臓器 → 静脈 → 心臓」という流れで血液が循環していることから、これらの器官を総称して「循環器」と呼びます。
循環器内科では、高血圧、動脈硬化、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、心不全、不整脈などの疾患を診療いたします。

循環器疾患は、徐々に症状が進行することが多く、不調は「年のせい」や「疲れのせい」など当たり前のものと受け止め、受診が遅れるケースも見受けられます。しかし、循環器疾患の多くは「動脈硬化」が原因であり、これは予防が可能な疾患です。
動脈硬化の背景には、高血圧や高血糖、脂質異常症といった生活習慣病があり、早期の対策が大切です。自覚症状がなくても「今は困っていないから大丈夫」と過信せず、ぜひ定期的な検査をおすすめいたします。
高血圧とは、血圧が慢性的に正常値を超えて高くなっている状態です。高血圧の厄介な点は、自覚症状がほとんどないまま進行することにあります。気づかないうちに血管に負担をかけ続けることで、血管は徐々に狭く、もろくなり、心不全・心筋梗塞・脳卒中・腎臓病・認知症 など深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても定期的な健診を受けることが大切です。当院では、待合室に血圧計を設置し、ご来院の際には毎回の血圧測定を推奨しています。また、70歳以上の方には認知症の問診も行い、早期発見に努めています。
高血圧を放置することで進行するのが「動脈硬化」です。動脈硬化とは、血管が硬く・狭くなる状態で、血流の悪化や血管破裂を引き起こす原因となります。この「動脈硬化」は、高血圧を放置していけない大きな理由の1つ理由です。
図:動脈硬化の発生と進行イメージ図

動脈硬化が全身の血管で進行すると、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気のリスクが高まります。動脈硬化を予防するには、血圧をはじめとする生活習慣病の管理が重要です。高血圧の予防・早期治療が、健康を守る第一歩となります。
基本的には少しでも違和感があれば受診していただきたいです。次のような症状や、健診での異常がある場合は、循環器内科へのご相談をおすすめします。
次のような症状はご相談ください
- 動悸、胸の圧迫感・痛み
- めまい、ふらつき
- 倦怠感、息切れ
- 不整脈を感じる
- 足のむくみ など…
健康診断等での指摘も、お早めにご相談ください
- 高血圧・血圧高い
- 高コレステロール血症・コレステロール値が高い
- 高血糖・血糖値が高い
- 心電図の異常 など…
代表的な疾患の特徴
- 心不全:歩行時の息切れ、疲れやすさ、横になると息苦しいといった症状が出やすいです。
- 狭心症:胸部の圧迫感や痛みが特徴で、進行すると心筋梗塞へ移行する可能性があります。
- 不整脈:脈が飛ぶ、速い、不規則といった症状は心房細動などのサインで、脳卒中や心不全の原因になることもあります。
症状がある場合は、すでに疾患が進行している可能性もありますので、早めの受診が大切です。
当院では、豊富な検査機器を活用し、さまざまな循環器疾患の早期発見・早期治療に尽力しています。
主な検査内容
- 心臓超音波(心エコー)検査:心臓の弁や心筋の動き、収縮力などを確認します。
- 運動負荷試験:トレッドミル上を歩行・走行しながら心電図を記録し、不整脈や狭心症の兆候を調べます。
- ホルター心電図:24時間携帯型の心電計で脈拍の変化を記録し、不整脈を評価します。
- その他:頸動脈エコーや血管年齢を測定する検査、生活習慣病の血液検査なども実施しています。
エコー検査は心臓以外、腹部臓器、乳腺、甲状腺、前立腺、血管(動脈・静脈)の評価を行います。また、血管年齢を測定する検査、動脈硬化判定も対応しております。
目黒区の西村内科循環器内科クリニックでは、循環器専門医・総合内科専門医である院長が診察を担当しております。少しでも不安や違和感を感じる方は、どうぞお気軽にご相談ください。